「高田敏子の詩碑」は能忍寺本堂の前の広場に布良の海岸を望むように置かれています。また、直筆の詩が、正翠荘のロビーに掲げられています。
この夏の一日
房総半島の突端 布良の海に泳いだ。
それは人影のない岩鼻
沐浴のようなひとり泳ぎであったが
よせる波は
私の体を滑めらかに洗いほてらせていった。
岩かげで水着をぬぎ体をふくと
私の夏は終っていた。
切り通しの道を帰りながら
ふとふりむいた岩鼻のあたりには
海女が四五人波しぶきをあびて立ち
私がひそかにぬけてきた夏の日が
その上にだけかがやいていた。


